仁義なき戦い DVD の紹介。第一作から第五作までの管理人によるレビュー記事。

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作品(DVD)のレビュー

ベスト映画遺産

2009年発表のキネマ旬報オールタイム・ベスト映画遺産の第一位から第五位までは次の通り。

第一位:東京物語
1953年 小津安二郎監督

第二位:七人の侍
1954年 黒澤明監督

第三位:浮雲
1955年 成瀬巳喜男監督

第四位:幕末太陽傳
1957年 川島雄三監督

第五位:仁義なき戦い
1973年 深作欣二監督

ある俳優が、上の五作品の内、三作品に出演している。すごい。

2009年以前にも、5年から10年おきに映画遺産は発表されています。 仁義なき戦いは、1999年は第八位、1995年は第二十二位でした。

笑えるシーンも満載

右のレビュー記事を読むと、かなりシリアスな印象が強調されているが、実際の映画は笑えるシーンや呆れ返るシーンや間抜けなシーンもいっぱい出てくる。

中でも秀逸なのは金子信雄演じる山守義男。
こんな親分、おるわけナイやろ!誰もがツッコみたくなる。
しかし自身もモデルとなったある親分と新幹線内で遭遇した金子はその親分から「本当に、あの通りの人やった」と言われたらしい。

山守義男

まずは、DVD をどうぞ

今の時代、映画館で観るなんてほとんどできないので、DVD を観るしかない。
ビギナーズには、第一作「仁義なき戦い」をレンタルすることをお薦めします。
2000年以降、どこのレンタル店でも、高回転率の超優良ソフトなので、「貸出中」の店はあっても、置いていない店はないはずです。

仁義なき戦い

シリーズの中では一番評価が高い第一作。
戦後の風景、リアルな描写、斬新なカメラワーク。 激しく荒々しい暴力の世界でもがくように生きていく若者達の切ない息づかいが全編を覆います。

ヤクザ映画、暴力映画としてレッテル貼りして、この映画を敬遠するのは、あまりにもったいない。人生で損をしていると思います。
ストーリーの面白さはもとより、大物俳優の若い頃の顔、テンポのいい広島弁、金子信雄の素晴らしすぎる演技、誰にも聞き覚えのある音楽、どれもが心を揺さぶります。
2009年発表のキネマ旬報オールタイム・ベスト映画遺産で、歴代第5位の日本映画とされました(1970年代以降に公開された作品としては歴代の最高位)。

「仁義なき戦い」と題された映画はたくさんあるので、他の作品と間違わないようにしましょう。1973年の作品です。

仁義なき戦い 広島死闘篇

シリーズ中では番外編ともいえる第二作。
この映画の実質的主人公は広能昌三[演:菅原文太]でなく、山中正治[演:北大路欣也]。実在した伝説のヒットマン(殺し屋)をモデルとした作品。

凄まじいの一言では済ますことのできない山中の生き様(死に様)は、多くの観客の心を鷲掴みにします。
時代の空気なのか、その境遇のせいなのか、無骨ともいえる北大路欣也の演技が、山中の悲しみを全身で表現している、とは言い過ぎでしょうか。
元々、山中役をキャスティングされていた千葉真一が演じることになった大友勝利(山中の敵役)を見るだけでも本作の価値はあります。

ビギナーズの方は、第一作のことは忘れて本作を観てください。ストーリー的なつながりはほとんどありません。1973年の作品です。

仁義なき戦い 代理戦争仁義なき戦い 頂上作戦

シリーズ中で、最高のヤマ場ともいえる第三作と第四作。
複雑に絡み合う人間関係と組織の力学、一瞬たりとも目を話せないストーリー展開はスーパー群像活劇。

第一作の山守組と第二作の村岡組、それぞれの組織に属する、あるいは取り巻く人物が、自らの思惑と外部からの圧倒的な力によって互いに「仁義なき戦い」に突入します。
正義のヒーローも真の悪役もなく、誰もが、愚かで弱くてズルくて、律儀で見栄っ張りで頑固で、それでいてカッコイイ男たちの物語。 少しだけ出てくる女性の全員にどうしようもないほどの悲しみ、切なさを感じてしまうのは、管理人だけではないでしょう。

この二つの作品は、続けて観ることをお勧めします。
絶対に順番を間違えないように。代理戦争から頂上作戦に続くストーリー展開です。1973年と1974年の作品です。

仁義なき戦い 完結編

その名の通り、シリーズ最後の作品である第五作。
事件の渦中にいた人物達が次々と第一線を退いていく。 そこにあるのは後悔でも懺悔でもなく無力感や虚しさに近い感情だろうか。
抗争の後日談を描きながらも、若い世代の台頭によって引き起こされる新たな展開がはじまる。

脚本家が変わってもストーリーの面白さは相変わらずです。 ただ本作の全体に、微妙な緊張感(=落ち着きの悪さ)を感じてしまうのはなぜでしょう。私(管理人)の気のせいでしょうか。

新しい世代のヒーロー松村保を演じた北大路欣也は、第二作の山中の時とは打って変わって細かな演技にこだわっています。 山守[演:金子信雄]のズルさも、長老、大久保憲一のたぬきっぷりも健在で、これはこれまでの作品のファンに対する製作者サイドからのプレゼントかも。
圧巻は、宍戸錠と松方弘樹のやり取り。そして涙ちょちょぎれは、菅原文太と小林旭の会話。あぁ、これで、本当に、このシリーズ、終わってしまいます。

本編の公開時には、シリーズ中で最も多くの観客動員数のあったこの第五作には、後世に残る名セリフが満載です。1974年の作品です。